しょっうせっつ

前回の続きですぁんあっ

「ただいまー・・・」俺はまた家のドアを開ける
暗い廊下からは何も音が出てていない
ラップ音さえしない
今にも背後から何かが襲ってくるような・・・そんな気配がした
とりあえず、瑠璃の部屋に行こう
「瑠璃・・・」瑠璃の部屋はゴスロリ様式だったから、電気をつけても
薄暗いが、停電もしているとなれば幽霊屋敷のようだ
「瑠璃・・・いる?」俺は部屋を見回した
が、瑠璃の姿は見当たらない その時
『ガタンッ』
!? 何だ?何か落ちたのか?
俺はものすごい速さで心拍を打っていた まただ・・・
怖い感情を一気に殺した 何も感じない・・・何も感じない・・・
俺はこの屋敷と一体化しているんだ・・・何も怖いことはない・・・
また背後に人の気配を感じた(何だ、またか・・・)
後ろを振り返ると、そこには瑠璃がいた
「うわあっ!!」
瑠璃は両手にレイピアと熱湯が入ったポットを持っていた
瑠璃は俺に熱湯をかけようとしてきた
逃げなきゃ・・・!俺は我を忘れて夢中で廊下を走っていった
もう心拍のことを気にしている余裕は無い
走って走って、居間に追い詰められた
俺はクローゼットの中に隠れた
心拍がすごい数を打っている・・・
クローゼットの外から、泣き声が聞こえる
・・・瑠璃が泣いてる・・・
すごい苦しそうに泣いてる 息が続かないくらい泣いてる
そこで俺は思い出した 
この状態は俺が犠牲にならなければ永遠に終わらないのだと
そうだ 全て自分のせいだ
自分のせいで瑠璃やビビは悲しんでいる
もう・・・火傷をしてもいい 意識不明になったっていい
瑠璃とビビが開放されるなら・・・!
『バァン!!』
俺は勢いよくクローゼットの扉を開けた
瑠璃は俺のほうへ目を向ける
ひとまず、瑠璃の手のポットをどうにかしないと!
俺は瑠璃が持っているポットに手を伸ばし、払いのけようとした
しかし瑠璃が熱湯をかけてきた
「ん・・・・!!」
熱い 痛い でもそんな感覚は一瞬で消えた
「瑠璃!!」瑠璃の手からポットを払いのける
ガチャンと大きな音を立てて、ポットは粉々に割れてしまった
もう片方の手に持っていたレイピアも叩き落とす
・・・どれぐらいの時間が経っただろうか・・・
永遠・・・いや、一瞬・・・?
長い沈黙の中、ポットのお湯の湯気と
俺の手にかかった熱湯の湯気だけがユラユラと揺れている

今回はここまで!!