華やかな大通りの 棄てられた蝙蝠傘の下 草臥れた尻尾上げて 毛繕う黒猫在りました 「ちょいと道往く其処の御嬢さん、御出で此処らで一つ話ましょう」 猫は云う「今日の噺は、そうだ昔に路端で聞いた愉快な悲恋など」 「昔交わらざる身の上の淡い恋に溺れた…
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