助け舟2

前回の続き

病院へ行って話をして、家に帰ってきた
嘘みたい・・・おじいちゃんが死んだなんて・・・
今にも玄関からただいまって顔をのぞかせそうな・・・
そんな気がする・・・
「それじゃあ、真理瑠、蘇乃子、これから忙しくなるわよ」
「まずは葬式の式場だな」
お父さんとお母さんが支度を始める
なんかもうさ、面白いテレビをみても
ツボったセリフをきいても
頭に入ってこない
どうしてもおじいちゃんが死んだって事しか
頭に出てこない
「んじゃあここでいいな?」
「これならきっとお義父さんも喜んでくれるわよね」
二人が選択したのは
山の中にある少し暗い葬式場だった
「・・・ちっがう・・・」
「え?」
「そんな暗い葬式、おじいちゃんは好まない・・・」
「え・・・じゃあどんなとこにしろってのよ・・・」
「ここが一番安いんだぞ」
父の一言で私の中の何かが切れた
「はっあ!?っざけんなよクソオヤジ!!」
「ままままま真理瑠!?」
「てめぇのせいでどんだけこっちは苦労したと思ってんだよ!」
「な・・・ん・・・」
「いつもいつもテストの点を気にしてビクビク生きてきたのに」
「落ち着いて真理瑠!!」
蘇乃子が私を止めてくれた
「・・・ハー・・・」

「今日は色々あったから疲れちゃったのね・・・」
お母さんの声が聞こえる
「おじいちゃんっ子だったからな・・・」
そう 昔っからおじいちゃんっ子だったよ
何をするにもおじいちゃんと一緒
助けを求めるにもおじいちゃん
そして夢の中でもおじいちゃんが出てくる
それ位おじいちゃんが大好きだったよ
「でもまぁ、いつかはこうなると思っていたよ」
「人間は・・・この世のものはいつか絶対朽ち果てる
 だから死ぬのは時間の問題」
「それだから、今という時間を生きるんだな・・・」
そうか・・・やっぱり何事も終わってしまうんだ・・・
「あ、ところで真理瑠が言ってたことなんだが・・・」
「ああ、じゃあこういうのってどう?」
「・・・おお、それはいいな」
「もうすぐお義父さんの・・・だったからね」
え?おじいちゃんの何?よく聞こえなかった・・・
「それじゃあさってになるから、明日知らせを出そう」
「そうね これならおじいちゃんも本当に喜ぶわ」

今回はここまでえ